昨日の夜は以前に講師をしていた時の柔道部の生徒(以下Kとします)と飲みました。
卒業して1年目の時の生徒だったので、歳も5歳しか違いません。
そいつは「今の俺の歳の時に先生だったんですね。なんか変な感じがしますわ。」と言っています。
まあ、私もまだ学生気分が抜けていないというか、学生気分のまま講師をしていたかのように思えます。
その頃の勢いが懐かしいです。
Kとも、私が赴任して同じ軽量級だったものですから、結構練習しましたし、どんどん質問もしてきました。
大体、過去の学校の生徒達とはなんだかんだ続いています。
練習会に来てくれたり、家に来たり、年末など一緒に飲んだり。
昨日飲んだKは、結構激しい付き合いです。
彼は3年生の2学期位だったと思います。
急遽、学校を休みだしました。
理由を他の先生に聞くと、
「白血病」
それまで、バカばかりやって、少々問題を起こしたり、明るくムードメーカーだった奴が倒れた。
当時、意味が分かりませんでした。
しかし、それが現実だったのです。
何があるか分からないとはよく言ったものです。
それからは闘病生活です。
何ができるか分かりませんが、とにかく時間がある。
私も一週間程度ですが入院経験はありましたが、ひたすら暇でした。
まあ、元気な怪我の入院だったので比べ物にもなりませんが。
そんな時間を少しでも埋められたらと思い、行ける限り遊びに行ってました。
薬の副作用など散々ありますから、メールで連絡を取ってから行っていました。
行ったらいつもバカ話です。
看護婦さんの話やら、私の近況やら、高校時代実はこうだったみたいな話をしていました。
辛い顔は一度も見たことがありません。
逆に私がいつも励まされている時の方が多かった気がします。
「治ったら先生の学校に柔道コーチしに行きますよ!」
「まずは筋トレからですわ。組み手なら教えられますね!」
そんなこんなで、無事治療も終わり、退院の運びとなりました。
このまま1年間再発しなければ、完治とのことでした。
退院後、Kの同期達をうちに呼び、楽しく時間を過ごしました。
もう終わったんだ、お疲れ!
そんな気持ちで一杯でしたし、Kも今までの遅れを取り戻すべく、下の学年と同じになりながら高校を卒業して大学生になったのです。
しかし、
ドラマであって欲しかった。
現実です。
1年目の日に再発。
何も言葉を発せませんでした。
また、治療の繰り返しです。
今度は完治率も大幅に下がります。
治療さえも耐えうるか分かりません。
治療を終わらせることさえも命がけなのです。
また闘病生活が始まりました。
Kはまだ若く、前にも入院していたので、同じ小児科に入院でした。
小児科といっても、がんセンターなので皆、癌です。
こんなに小さな子が!?
元気に生きようと頑張っている。
まだ小さいから、あまり分かっていない子も沢山いる。
そんなカルチャーショックを受けながら、遊びに行っていました。
そこでも面白エピソードがあり、私、看護婦さん達に教師だとは微塵も思われてなかったそうです。
同級生が遊びに来てるのかと思われてました。
Kの高校でもそうでした。
講師なのに、試験期間中に職員室に入ったら、注意されました。
「生徒は入っちゃ駄目だよ!」
「あの、講師なんですが・・・」
「え、そうなの!?大変失礼しました。てっきり生徒かと思って・・・。」
その話は今でも語り継がれています。
話は戻しまして、また以前のごとく行ける時に顔を出し、バカ話をしてました。
他の患者の同世代の話とかも聞きました。
ドラマのようだと言いますが、ドラマのほうが生易しいです。
数値的に治療も厳しいときがありましたが、Kは乗り切りました。
再発の危険性は以前よりもあります。
しかし、この治療を乗り切ったことが凄い!
奴は今、資格修得も目指し、猛勉強をしています。
来年度からは大学に復学です。
そんな折、先月に治療が終わったので祝杯を交わしました。
4時間くらいでしょうか。
ひたすらバカ話と真面目な話。
無茶苦茶でした。
今も色んな不安に駆られていますが、先を見て生きています。
彼との話で一番印象に残った話があります。
私「治療とか長いと事故とで一瞬で終わっちゃった方がいいとか思っちゃわないか?」
K「俺ら仲間でいつも話してるんすが、治療や余命があるって幸せなことだよな。心の準備ができて、家族とか彼女とかとの時間を大切にできるし。事故とかだったら一瞬で終わっちゃうから何にもできないじゃないですか。だからみんなで事故じゃなかっただけいいよなって話してるんです。だから、生きている間は、自分が生きてた記録・記憶を残したいんです。」
私、恥ずかしかったです。
弱く情けない自分が。
本当の命がけにならなければ、出せない言葉だと思いました。
Kは言います。
「自分は大したことないけど、亡くなった友達とかすんげえと思います。でもすんげえ奴ほど亡くなっちゃってるんすよね。だから、友達とかの頑張りとかそういうことは聞いてくれる人に話したいですね。」
と言ってました。
母校からや、看護婦協会?、テレビからもオファーがあるそうです。
今でも外来などで病院に行くと、医者から他の患者と話してやってくれないかと頼まれるそうです。
そして、メンタルを励まし、元気になってくれた時、嬉しいと言ってました。
そんな奴に少しでも機会を提供できないかと思いました。
人間命がけには本当にならない限り、難しいと改めて分かりました。
そこで、相談したのですが、俺が関わっている今の生徒(部活・クラス)の希望者に話をしてくれないか?
今まで経験したことがないとの事でしたし、そんな大掛かりなものでいきなり本番だと失敗が怖い。
なら、練習のつもりで、まずはうちの学校で少人数とかで座談会のような形式で話さないか?と提案しました。
本人もやってくれるとの了承を得ました。
逃げ道の無い、自分が生きる証を残す。
そんな気持ち、少しでも持って欲しい。
そこまで行かなくても、今の時間がどれだけ大切な物か、本当にそういう者からの言葉で感じ取って欲しい、と思いました。
Kも高校生時代、そんなこと考えたこともないと言っています。
考えないでいられる方が幸せだといいます。
ただ、そういう話を聞いてより頑張ろうと思える奴には話したい、知ってもらいたいと申してました。
部活とクラスで投げかけてみようと思います。
5~6人も集まればやろうと思っています。
時期は補講期間を考えています。
生きる力、生きる証、そういったことを考えられれば、これからの高校生活もまた変わると思います。
高校生活に限らず、人生においてプラスになると思います。
Kは個人情報はガンガン出したいと言ってました。
出して自分の存在を出したいと言ってました。
こんなご時世の中、個人情報保護法より出さない出さないの世の中になっています。
どこの誰だか分からぬ者とチャットやメールでやり取りをし、身近な存在の者のことはさっぱり分からない。
そんな時代の中、本当に大切なことは何か、改めて価値観をしっかり持てる人材を伸ばして行きたいと思います。
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